くらしに、ひと呼吸

コロナ禍は子どもに無理をさせないで

コロナの影響による頭痛、腹痛

新わたしは、この3月まで中学校教師を務め、最後の年は1学年の主任でした。
保護者からの連絡で多かったのが「体調不良で子どもを休ませます」という電話です。授業中も「先生、お腹が痛いのでトイレに行きます」という訴えが時々ありました。これは、「コロナの影響があるに違いない」、わたしはずっとそう考えてきました。

体調不良は仕方ない

人間だれしも余計な心配なく生活したいものです。好きなことに打ち込みたいし、子どもだったら友達や仲間と思いっきり遊びたいでしょう。
わたし自身も大好きな温泉やカラオケを自粛する生活が続き、ストレスが溜まっています。大人もストレスが溜まるのですから、成長期の子どもたちに影響が出ないわけがありません。学校で連日耳にするのは「マスクを外してはいけません」「給食中は会話をしてはいけません」「友達と密になってはいけません」といった言葉ばかり。ある時、「体調が悪いと、コロナと勘違いされないか不安になる」と訴えてきた子がいたのですが、コロナはここまで子どもを敏感にしているのです。ただでさえ中学校生活への不安があるのに、卒業、入学という大事な時期の「3ヵ月空白」でリズムを崩し、「毎日が感染不安」となれば、中学1年生の子どもが体調不良を訴えるのは必然ともいえるでしょう。

長い人生 遅れは取り戻せる

わたしは、「こんなに待ち焦がれて入学した生徒はいない。あなたたちに目いっぱい愛情を注ぎます」と宣言し、学年の教師と協力して楽しい授業や行事を創ってきました。それでも、起立性調節障害(注)など体調不良が続く生徒が少なくありませんでした。心と体のバランスを崩した生徒には「無理しないでいいよ」と話し、子どもの登校しぶりや不眠などで悩む保護者には「登校させなくていいですよ。長い人生、遅れはいつでも取り戻せますから」と伝えました。

家族でできる楽しみを

親は当然焦ります。「勉強が遅れてしまうのではないか」と。でも、本人はそれを十分わかっているし、わかるけど身体が言うことを聞かないために、自分を責め、苦しんでいるのです。お父さん、お母さん。お子さんに「無理しないでいいよ」「いのちと健康が何よりも大事だよ」と温かい言葉をかけてみてください。
そして、家族でできるちょっとした楽しみをつくってみてはどうでしょうか。一緒に散歩やストレッチをしたり、音楽や映画鑑賞をしてみるとか。

(注)起立時にめまいや動悸、失神などが起きる自律神経の病気です。

みやぎ教育相談センター
所長 瀬成田 実

38年間中学校教師を務め、2021年4月から現職。教え子の震災伝承活動のサポートも続けている。

みやぎ教育相談センター<br>所長  瀬成田 実先生