くらしに、ひと呼吸

今月のテーマ②自分でつくる“未来の自分” ~食べて動いて理想の身体づくり~

体重だけではなく中身で勝負

 「体重」は、健康を評価するうえで分かりやすい指標の一つですが、将来の健康づくりのために注目すべきは、全体的な重さよりも“中身”です。筋肉や体脂肪、骨が過不足なく備わっているかどうか。若い女性にはやせたいという願望が強い傾向にあり、“中身”を蓄える大事な成長過程にもかかわらず、無理なダイエットや偏った食事による不健康なやせ方が問題となっています。ただでさえ、何もしなければ年々減少する筋肉量…私も今、取り戻すのに苦労しています。さまざまなダイエット情報が出回っていますが、全てが万人向けではありません。情報に流されず、シンプルに規則正しい食生活をおすすめします。

ご飯を味方に… 実は心強いサポーター

 ご飯は太る?それは食べ過ぎたら…の話です。では減量のためにご飯を抜くのは?それは逆効果です。おかずの食べ過ぎにも繋がります。ご飯はお米とお水だけ。おかずには塩分や脂質が入っています。ご飯を減らしておかずが多い食事は、高血圧・脂質異常症・肥満などを招きやすい食習慣です。また、同じ原料だからとお酒はご飯の代わりにはなりません。ご飯を食べるようにしたら太った?いえいえ、他に何か飲み食いしていませんか?お酒にもエネルギーがあります。「たくさん食べていないのに太る!」という方は運動不足かもしれません。余分な体脂肪を燃やすためにも“ご飯”は強い味方です。

やせを目指すより 太りにくさを求めよう

 肥満には悪いイメージがある一方で、やせには健康的でいいイメージがあるかもしれません。そこで、脂肪をため込まない、太りにくい身体づくりを目指すのはどうでしょう。「体脂肪を減らす」より「筋肉を増やす」、「食べない」より「食べる」の視点を持ってみませんか?筋肉量が増えればエネルギー消費量も高くなり、体脂肪減少に繋がります。「食べる」にしても、野菜はサラダなどの淡色野菜ばかりではなく緑黄色野菜を摂ることが大切です。また、お肉や洋食に偏らず、お魚や和食中心など「選ぶ視点」がとても重要です。体脂肪を減らすつもりが、減っていたのは筋肉だった!とはならないように「バランスよく食べて動く!」ことで太りにくさを手に入れましょう。

きらり健康生活協同組合 須川診療所 管理栄養士 相澤 聡美

外来診療のほか、訪問診療、また地域活動などの保健予防にも力を入れる医療生協に勤務。診療所の管理栄養士として、外来での栄養指導や訪問栄養指導を行いながら、地域の食育活動にも取り組んでいる。

きらり健康生活協同組合 須川診療所 管理栄養士 相澤 聡美先生