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未来への財産を引き継ぐためにみんなの想いが海を守る

未来への財産を引き継ぐためにみんなの想いが海を守る

東日本大震災から11年。 政府は、東京電力第一原発事故に伴う アルプス(ALPS)処理水の海洋放出を、 漁業者からの理解を得られないまま決定しました。 この問題に、みやぎ生協・コープふくしまはメンバー(組合員)と学習会を重ねまた関係団体と連携し署名活動にも取り組んできました。 今回は改めて海を守る、守りたい人々からの声をお届けします。

海で働く人の声を聞こう!

海とともに生きていく震災後からこれまでの想い

東日本大震災からこれまでの11年間、宮城県漁業協同組合では各浜のリーダーたちを先頭に、多くの人々と手を取り合いながら、国の支援のもと復旧・復興への取り組みを進めてきました。震災で甚大な被害を受けた漁業者たちは、漁船や陸上の施設などの整備と同時進行で、国の基準以上の厳しい条件の検査を実施・クリアし、海産物の安全安心を証明し、出荷してきました。ですが、東京電力福島第一原子力発電所の事故による海洋汚染の問題は、風評被害を引きずる形で今も復興の壁となっています。中でもホヤは、国際情勢的に輸出ができず、今でも約7,000トンが行き場をなくしています。安全面はどこよりも厳しい基準で取り組んでいるにもかかわらず、事実でないことが原因で制限をかけられている現実があるのです。

さらに、震災後の不漁や温暖化による魚の生息地域の変化、燃料費の高騰など、漁業関係者を取り巻く環境は依然として厳しい状況です。宮城県は養殖業をメインとする漁業関係者が多く、震災から11年たつ今も風評被害から広がる問題から、生業としての未来が不透明となり、若手や後継者が育たなくなるという課題も抱えています。そうした複合的な問題が継続する中で、アルプス(ALPS)処理水の海洋放出は追い打ちとなりかねません。

海とともに生きる漁師たち、そして消費者を取り巻く環境は刻々と変化しています。こうした中で課題を解決していくためには、それぞれの立場になって不安要素を取り除くことが大切であると考えます。漁業に携わる人材の育成と浜のコミュニティの活性化、環境整備とともに、海洋放出に伴う問題が起きた際の具体的な対策を示し、行動を起こすことが必要なのではないでしょうか。