未来を育てるあたらしいつながりの工夫
新型コロナウイルス感染拡大により、こども食堂の本来の活動が困難な現在。 知恵を出し合い、一人ひとりに寄り添う宮城県・福島県のこども食堂と、みやぎ生協・コープふくしまの取り組みを紹介します。
「こども食堂」でつながる輪地域みんなの第三の居場所
地域の多様な人々が集い、だんらんのある食を支えているこども食堂。コミュニケーションを通じ、人々に寄り添いながら活動しています。しかし、コロナ禍により運営が困難な状況に。そんな中、宮城県、福島県のこども食堂の中には、これまで積み重ねてきたつながりを絶やさないため、新しい取り組みを始めている団体もあります。今回はこれらの取り組みを通じ、人とのつながりの大切さを見つめるこども食堂と、みやぎ生協・コープふくしまの活動を紹介します。
みやぎ生協では、こども食堂を運営している団体や立ち上げを考えている人へ、店舗のメンバー集会室を会場として提供しているほか(宮城県内では15ヵ所へ会場提供)、フードバンクからの食品提供や提携生産者からの協力、福祉活動助成金による活動費の支援を通じて、こども食堂を運営する団体や個人を応援しています。
10月16日は世界食料デー 今日から応援お店で気軽にフードドライブ
生協では、子どもや子育て層への支援や社会的セーフティネットとして、地域の第三の居場所づくりを支援し、協働の取り組みを行なっています。
宮城県|いわぬま・こども食堂+(プラス)
「フードパントリー」で支援 まこころをつなぎ関係性を育む
あたたかい声が飛び交う会場では、集まった人々ヘスタッフが活発に声をかけています。代表の坂本さんが立ち上げ今年で3年目を迎える「いわぬ ま•こども食堂+(プラス)」では、コロナ禍を受け、3月より食事を提供する食堂から、無料で食材を配布するフードパントリ ーに切り替えました。仙南地域で唯一のフードバントリーです。コロナ禍により経済的に困難な世帯などを対象に、3密に配慮し事前予約制で50世帯へ配布。会話を通じてその家庭を知り、関係性構築へとつなげています。利用者、運営スタッフ、協力企業とともに育てたつながりを次世代へ結ぷことを目標に、数年先も見据えた活動を行っています。
「声がけと関係性作りを大事にしています。孤独ではないよ、という想いと、ここまで来てくれてありがとうを伝えています」代表:坂本久子さん
「孤食を滅らすため、 幅広い年齢層の方に利用してもらいたい」 と運営スタッフ。毎月第四木曜日に食事を提供していますが、現在は休止中です。
利用者の声
参加しているサークルのママ友からここの存在を教えてもらい、利用し始めて1年 になります。
子どもがまだ小さいこともあり、とても助かつています。
フードバントリ ーは7月 5 日時点で7回目。
全国や近隣の企業・フードバン クから寄贈された野菜や米、冷凍食品のほか、生協商品などを詰め合わせにしています
【会場】みやぎ生協岩沼店2階メンバー集会室 (宮城県岩沼市土ケ崎4-9-1) TEL: 0223-29-3206
※食事提供の再開は未定(詳細はお問い合わせください)
福島県|コープいずみ☆こども食堂
「詰め合わせBOX」で応援 笑顔が循環する‘‘楽しみ"の工夫
立ち上げから4年目となる「コープいずみ☆こども食堂」は、コロナ禍により2月から食堂としての活動を休止。5月より毎月約30世帯へ食材を送る「詰め合わせ BOX」の取り組みをスタートしました。こども食堂ネットワークなどから提供のあった食材や、生協商品などをBOXいっばいに詰め込み発送しています。担当の斎藤恵理子さん、山田佳奈さんは「この状況で何ができるか」を考え即行動に移し、状況に合わせながら活動をすすめています。BOXの中には家族で楽しめる塗り絵やレシピなども同梱し、コミュニケーションのきっかけになる工夫を盛り込んでいます。
「事前予約で、3密や食中毒対策を十分に行い、テイクアウト企画も実施。13世帯52個の注文があり、大人気企画になりました」と担当の斎藤恵理子さん(右)と山田佳奈さん(左)
中身を相談しながら詰め合わせBOXを用意。普段のこども食堂では毎月第三水曜日に食事を提供していますが、現在は休止中です。
たくさんのお礼のお便りやイラ ストが届きます。なかには「自粛生活に親子共々ストレスが溜まる日々でしたが、食材や心温まるメッセージにも元気と勇気をもらいました」との声も
BOXが自宅に届き、開封時のワクワク感 を想像しながら商品やお便りを詰めます
【会場】コープふくしま いずみ店 1階組合員ホール(福島県福島市森合字清水7) TEL: 024-557-1181
※食事提供の再開は未定(詳細はお問い合わせください)