くらしに、ひと呼吸

もっと知りたい腸内細菌のこと その1 受験シーズンを乗り切る腸を作ろう

いよいよ受験シーズン到来ですね!これまで一生懸命積み重ねてきた勉強の成果を、思う存分発揮できるように、食の視点から腸を整えるポイントについてお伝えします。

腸と脳の関係性!腸を整えてこれからの受験を乗り切ろう!

⻑い受験期間には、合格を勝ち取れるかどうかなどの不安やストレスに加え、睡眠不足、⾷事の偏りや過⾷、少⾷等の⾷べムラや夜食等、⽣活リズムが一定せず、受験⽣の心と腸内環境は意外にも荒れがちです。
脳と腸は密接な関係があり絶えず情報のやりとりをしています。「脳」のコンディションを良くするためには、実は、腸内環境を整えておくことが大切です。腸内環境が受験⽣の体調だけでなく精神的な面やこれまでの努力が十分に発揮できるかどうかにも関係します。
脳と腸の両方を整えて実力が出せるようにしましょう。

良い腸内環境を作るにはどうすれば良いでしょうか?

まずは便通のチェックをしましょう。便秘がちだったり下痢が続くようだと腸内環境はいいとは言えません。便の状態は腸内環境を知る手掛かりとなります。バナナくらいの太さで真っ直ぐな形状が理想です。

腸内環境をよくする食生活

●朝食抜きはNG
朝ご飯をしっかり食べることは脳にエネルギーを供給するだけではなく腸活の上でも大切です。空腹だと胃結腸反射が起こらず、腸の蠕動運動(※)も滞りがちになり、やがて腸内環境の悪化につながります。(※腸が伸びたり縮んだりを繰り返して腸内を移動、体外へ排出する運動)

●プロバイオティクスを摂取する
身体に有益に働くビフィズス菌や乳酸菌を含んでいるヨーグルト、乳酸菌飲料、発酵食品、納豆などを継続して摂取しましょう。腸のゴールデンタイム(午後10時から午前2時までの時間)に腸へ乳酸菌等を送り込むことができるので、夜食としてこれらのプロバイオティクスを食べるのも効果的です。

●プレバイオティクスも忘れずに
有益菌のエサとなるのが、野菜や果物、豆、⾷物繊維です。食物繊維は毎食とるようにしましょう。

ただし下痢や便秘などの症状が悪化する場合は、その食品が合わない可能性があります。便通をよく観察しながら自分に合った食品を見つけましょう。

仙台白百合女子大学
人間学部健康栄養学科准教授
相澤 恵美子

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻行動医学分野博士課程修了 博士(医学)。
研究分野は「腸内細菌と栄養、精神栄養、健康寿命を伸ばすための栄養」。

仙台白百合女子大学<br>人間学部健康栄養学科准教授<br>相澤 恵美子先生