くらしに、ひと呼吸

カーシェアリングで“地域づくり”? コミュニティ・カーシェアリングとは

車のシェアを通じて支え合う地域をつくる

 コミュニティ・カーシェアリングは、地域コミュニティで車をシェア(共同利用)し、地域を元気にするサークル活動です。東日本大震災後、石巻市の仮設住宅で始まったこの活動は、移動に課題のある地域などに導入され、全国に広がっています。車を運転する人、お出かけの企画をする人、お茶っこ会を準備する人…。参加する人がそれぞれ役割をもっています。
 車を使った活動というと移動の改善が目的に思われることが多いのですが、この取り組みの目的は“地域づくり”。車の共同利用のルールづくりや、会の仲間とのお出かけなどを通じて、信頼できる人間関係ができると、自然と助け合いが起こるコミュニティになっていきます。その結果、移動の課題も少しずつ改善する。私たちが地域に根付かせたいのはそんなサイクルです。

生きがい作りの活動

 この活動に参加しているのは主に60歳以上の方々。定年退職して時間に余裕ができた方が、ボランティアで会の車の運転を手伝ってくれています。「ありがとうと言われるのがうれしい」「地域と関わるいい機会になっている」と前向きに参加してくれています。
 また、免許を返納してしまったご高齢の方は外出の機会が減ってしまいがち。会のメンバーと定期的に行われるお出かけやお茶っこ会が生きがいとなり、「もっとみんなと楽しくお話したいから補聴器を買ったの」なんて方もいらっしゃいます。

平時のコミュニティが防災にもつながる

 2018年、愛媛県で記録的な豪雨災害が発生し、現地入りした際に現地の方から聞いたお話が印象的でした。「この地域はつながりが強いから。足が悪い人のことを地域のみんなが認識していて。だからすぐに声をかけて、車に乗せて避難することができた。だから人的被害が出なかったんだ」
 何かあった時に顔が浮かぶ関係が普段からできていれば、有事の際の助けにもつながります。平時のコミュニティづくりが災害の被害を減らすことにもつながるのです。
 協会はこれからも寄付車を活用して、温かで強い地域コミュニティづくりを応援していきます。

カーシェアをご利用中の地域住民の方々

一般社団法人 日本カーシェアリング協会 石渡 賢大

千葉県出身。損害保険会社での勤務を経て、2017年より『日本カーシェアリング協会』に参画。全国から車の寄付を募り、その車を活用した災害支援、街づくり、生活困窮者支援などの社会貢献活動を実施している。1児の父。

一般社団法人 日本カーシェアリング協会 石渡 賢大先生