くらしに、ひと呼吸

車がないことによる機会損失を減らす取り組み

車が買えない、維持できない人は身近にいる

 日本カーシェアリング協会は、災害対応以外でも寄付車を活用した活動を行っています。今、力を入れているのが、日常的に車に関して困っている方に対して、私たちの車を使っていただく取り組みです。
 最近、経済的に苦しい状況の方や、非営利団体から車に関する相談事が寄せられるようになってきました。購入費、維持費の面で車を持てない方や団体がいます。その方たちは、車がないことで生活や活動に明確な困難を抱えているのです。

行政やNPOとの連携で実効性のある支援が可能に

 車の貸出メニューの中に「生活お助けカーリース」というプログラムがあります。これは、経済的に苦しい状況の方が対象の超低価格の車の貸出支援です。収入を得るために就職を希望しながらも、車がないことが就労を妨げていることがあります。「車があれば前に進めるのに」という方の力になるために、自治体の困窮者支援担当と協働し、車の貸出を行っています。それに加えて、自分で車を購入できるように、貯蓄計画の作成や収支の見直しなどの伴走支援も行います。こういった支援は日本で私たちだけが実施しているのですが、実はみやぎ生協さんにもこのプログラムで協力していただいています。実効性や支援情報周知の観点からも多機関の協働はとても重要です。

寄付車だからできる取り組み、生まれる繋がり

 私たちの車はすべて寄付でいただいたものです。そのため、安く車を貸しても車の維持費などを賄うことができ、活動の維持が可能になります。また、活動の中では寄付車だからこその、こんな温かいやり取りも。車の提供者様に車の様子をお伝えすると「私の車が役に立てているようで嬉しい」と感想をいただきます。車を借りている方も提供者様に感謝をされ「いつか恩返しをしたい」なんて声をいただくこともあります。ただの車ではなく、寄付車だからこその善意の循環が生まれているのだと感じます。
 大切な車の有効活用策を探している方がいたらご連絡ください。車を通じた助け合いの仕組みを一緒に作っていきましょう。

「利用者や支援者の声はこちらから

一般社団法人 日本カーシェアリング協会 石渡 賢大

千葉県出身。損害保険会社での勤務を経て、2017年より『日本カーシェアリング協会』に参画。全国から車の寄付を募り、その車を活用した災害支援、街づくり、生活困窮者支援などの社会貢献活動を実施している。1児の父。

一般社団法人 日本カーシェアリング協会 石渡 賢大先生