くらしに、ひと呼吸

増え続ける自然災害 マイカーが被災したら生活は大丈夫?

自然災害と車の被災

 近年、地震や台風、洪水など大規模な自然災害が日本中で頻発しています。実は被災地でたくさん失われているのが車です。日本は多くの地域で車が生活必需品ですが、災害時は車屋さんも被災してしまうため、すぐに代替の車は手に入りません。レンタカーも予約がいっぱい、借りられても大きな費用負担がかかります。さらに、現地は倒壊した家財や瓦礫を撤去するためのトラックも不足します。被災地では車が足りなくなるのです。
 突然の被災で車が使えなくなると、生活再建はおろか日常生活が立ち行かなくなります。

車を被災から守るために

 「自助、共助、公助」という言葉がありますが、現在、車を被災した方に対する公的な助けはありません。そのため、自ら備える意識を持つことが重要です。
 では、わたしたちは車を被災させないために何をすべきでしょう。例えば、夏の水害を想定した場合、次のような対策が考えられます。
①ハザードマップを確認し駐車場周辺の水害リスクを把握する
②リスクが高い災害を予見した場合は事前に車を高台に逃がす
③車の活用中に水害が発生したら無理に走行しない
 JAFのホームページに災害時の車に関する注意点がまとまっているので、一度確認してみるのをおすすめします。

それでも車が被災してしまったら

 まずは自動車保険の保険金が支払われるか確認を。そして特約についても確認しておきましょう。代車が借りられる特約の付帯率も近年上昇しています。一時的に車が使えるようになるかもしれません。
 大規模災害時には『日本カーシェアリング協会』が被災された方を対象に車の無償貸出支援を実施しています。全国から寄付された車が被災地に届き、現地の復旧復興を支えています。『日本カーシェアリング協会』では、東日本大震災の経験をふまえ「車の被災で困らない社会」を目指して活動しています。これからの出水期に備え「車の被災」を自分事にするところから始めてみませんか。

1月18日、石川県七尾市の被災者へ貸出

1月22日、石川県七尾市ボランティアセンターへ貸出

一般社団法人 日本カーシェアリング協会 石渡 賢大

千葉県出身。損害保険会社での勤務を経て、2017年より『日本カーシェアリング協会』に参画。全国から車の寄付を募り、その車を活用した災害支援、街づくり、生活困窮者支援などの社会貢献活動を実施している。1児の父。

一般社団法人 日本カーシェアリング協会 石渡 賢大先生