今月のテーマ②座りすぎのリスクと抗重⼒筋の重要性とは?
“座位時間”、気にされてますか?
「⽇本⼈の座位時間は世界で⼀番⻑い」という研究報告があります。私⾃⾝、デスクワークの時間が多くドキッとしました。
その研究では、座位時間が長ければ⻑いほど死亡リスクが⾼くなると報告されています。座らない、それが難しくても、連続した座位時間を減らすために、こまめに席を⽴つことや、軽運動するなどの取り組みが重要です。
みなさんは、普段どのくらいの時間座っていますか?運動を増やすという意識も⼤切ですが、座位時間を減らすことも重要です。
“立位”に大切な筋肉をキープしましょう
次に、筋⾁量の変化について考えてみたいと思います。筋⾁は、上肢、下肢、体幹の中で、どの部位が減少しやすいと思いますか?
正解は、下肢の筋⾁が最も減少率が⾼いと報告されています。
下肢の筋⾁の中で、重要になってくるのが、抗重⼒筋と呼ばれる筋⾁で、代表的なのが太ももの⼤腿四頭筋やふくらはぎの下腿三頭筋です。
筋⾁量は活動量に合わせて適応していきます。使うと⼤きくなり、使わないと⼩さくなります。
筋⾁が⼩さくなると、身体を⽀える⼒が弱くなり、重⼒に抵抗することが難しくなります。そして、膝の変形や脊柱といった関節にも影響を与えるようになります。このように重⼒に抵抗する抗重⼒筋が弱くなると、⽴位での作業や歩⾏することが⼤変になってきます。
また、年齢とともに筋⾁は柔軟性を失いやすいと報告されています。例えば、脚の後ろ側にあるハムストリングスなどの筋⾁が硬くなると、膝が伸びにくくなります。そうなると、特に⽴位において、膝の関節などへの負担が増え、痛みにもつながりやすくなります。柔軟性の低下を予防することも大切です。
今回は運動を中⼼にお伝えしました。まとめるとポイントは3つです。
①座る時間を短くしましょう
②脚の筋⾁を増やす運動を取り⼊れましょう
③柔軟性を向上する運動を取り⼊れましょう
先⽉お伝えしたように、運動は誰かと一緒に⾏うと、さらに効果的です。ぜひ、できそうなところから始めてみましょう!
膝裏のストレッチをしている場面(太子堂店)
一般社団法人りぷらす 代表理事・理学療法士 橋本 大吾
茨城県出身。東日本大震災を機に、当時住んでいた埼玉県から石巻市に移住し、2013年1月に一般社団法人りぷらすを創業、またリハビリ施設を開設した。身体づくり・仲間づくり・居場所づくりをテーマに活動を展開している。