Scooop eyes

7月30日は消費生活協同組合の日

7月30日は消費生活協同組合の日

「一人は万人のために、万人は一人のために」 「平和とよりよい生活のために」をスローガンにしている生活協同組合。 消費生活協同組合法が公布された7月30日が「消費生活協同組合の日」になりました。 「生協」の歴史と原点を振り返りながら、くらしに寄り添うみやぎ生協・コープふくしまのこれからをお伝えします。

19世紀、世界最初の「生協」がイギリスで生まれました

1844年、英国のロッチデールに設立された「ロッチデール公正開拓者組合」が、世界で最初に協同組合の試みが成功した「生協」です。産業革命によって生産力が向上した一方、工場で働く人たちは、長時間労働、低賃金、さらには劣悪な商品を高い価格で売りつけられるなど厳しい生活を強いられていました。
このような状況を変えるには「協同の力」が必要だとするロバート・オーウェンという人の考え方に影響を受けた28人の労働者がわずかな収入から出資金を出し合い、混ぜ物のない品質、適正な量目と価格など公正な商品を売るお店を開いたのが、「生協」の原点です。

「助け合い」を形にした「生協」が日本にも生まれました

英国で生まれた「協同組合」が日本に伝わったのは、明治になってから。
日本の生協の父と言われる賀川豊彦が、困窮した人々の暮らしを目の当たりにし、「お互いに協同して生活を守りあう」消費組合や信用組合などの設立を指導。1921に神戸購買組合(現コープこうべ)が設立され全国に生協が広がりますが、太平洋戦争で解散や休止に。戦後生協が再建されていくなかで、1948年に消費生活協同組合法(生協法)が制定。1951年3月20日、戦争の経験から「平和とよりよい生活のために」をスローガンに日本生活協同組合連合会が設立。創立70年を機に「消費生活協同組合の日」が登録されました。

「平和とよりよい生活のために」くらし・地域を守ることが使命

原点は「生活を守る」こと

生協活動の原点であり、生協スローガンにも掲げられている「平和とよりよい生活のために」。この言葉には、戦後の社会背景から人々のくらしをよりよいものにしたいという、初代会長・賀川豊彦の想いが込められています。それは今の時代でも変わらないものであり、生協の根本的な活動の軸になるものです。その中でも10年前の東日本大震災からの復興や、現在のコロナ禍の厳しい中でも「生活を守る」という生協の役割は大切だと思います。また「生活を守る」、発展させていくために生協事業として拡大した福祉活動、環境活動は、将来的に自分たちの生活に関わることです。そのためには背景や社会の動きも知らなければなりません。生協の活動にある「学んで、知ること」も重要な要素となります。

人々、そして地域をつなぐ

普通に暮らしていると、自分の地域のことをよく知らない、普段当たり前に接している物の価値を知らない、ということがあるのではないでしょうか。大切なのは、生協の活動を通じて意識的にその地域の良さをしっかりとメンバー(組合員)に伝えて、地域づくりに役立てることですね。具体的には、「古今東北」など特徴ある商品や顔とくらしの見える産直「めぐみ野」も、地域と人々をつなぎ、地域を元気にしていく活動のひとつです。
地産地消促進や地域の魅力を伝えていく活動を通じ、生活を豊かにしていく。今後も生協が持つ価値を最大限に活かし、橋渡し的存在として人々と地域をつなぎ、生活を豊かにしていく力になれたら、と考えています。

みやぎ生協・コープふくしまがこれから目指していくもの

「一人は万人のために、万人はひとりのために」という言葉があります。ここで「一人は万人のために」だけが強調されてしまうと、一人は社会全体に役立つためだけの存在となり、個人が消えてしまいます。みんなが一人のために尽くす「万人が一人のために」も忘れてはいけません。その精神は、SDGsの「誰一人取り残さない」というゴールにつながりますし、互いに支えあい社会に取り残される人がないように、みんなで一人ひとりを見ていくという協同組合の双方向の関係にもつながっています。コロナ禍の影響などから格差の広がりが加速する今、社会のコミュニティの分断が起きています。常に余裕のない状況に、人々は気難しい状態になってきているようにも感じます。こんな時こそ、生協の支えあう、助け合いの理念を伝えていくことで、人々に寄り添う活動をしていきたいと思っています。生協は出資金を出し合って作る組織です。みやぎ生協・コープふくしま90万人のメンバー(組合員)のみなさんは、商品を購入するだけの利用だけではなく、生協を「自分たちのもの」という実感を持っていただきたいです。メンバー(組合員)活動は生協の基礎です。フードドライブやさまざまな活動や事業にも積極的に参加していただけたらと思います。