まるで宝石のように輝く 自然の恵みたっぷりトマト
みやぎ生協の産直ブランド「めぐみ野」品を代表する桃太郎トマト。
桃太郎トマト栽培に取り組んで12年目を迎えた三浦さん夫婦の大切に育てたトマトが、私たちの食卓に届くまでの舞台裏に迫ります。
おいしさと糖度にこだわった自慢のトマトを
トマト農家
三浦 孝さん(トマト栽培歴12年目)
文枝さん(トマト栽培歴7年目)
腕によりをかけて育てたトマトは、特に味にこだわって作っています。甘さのなかにも酸味とコクがあり、バランスのとれたスッキリとした味わいが特徴で、お料理にはもちろん、トマト本来の味を楽しむならそのまま丸かじりしたりサラダで味わうのも最高です。
夫婦二人三脚で求めるおいしさ 2代目若手トマト農家の歩み
ピーンとハリがあり丸々としてつややか。ずっしりと重みを感じる、真っ赤な宝石のような「めぐみ野」桃太郎トマトは、トマトといえば「めぐみ野」を選ぶというファンも多いほど、うまみをギュッと凝縮した味わいが魅力です。今回はそんな「めぐみ野」桃太郎トマトを育てる、宮城県角田市のトマト農家、三浦さん夫婦を訪ねました。
前職はサラリーマンだったという三浦孝さんは、39歳のときに父からハウスを引き継ぎトマト栽培をスタート。「父の姿を見て、おもしろそうだと思ったんです」と三浦さん。現在はトマトとリーフレタスを栽培しており、3月から9月まではトマトを、10月から2月にかけてはレタスの栽培で、1年を通して大忙しです。「基本的にすべての工程を妻と2人で行なっています。田んぼや畑の経験はあったものの、トマト栽培は2人とも初めて。角田産直野菜委員会・トマト部会の先輩たちに教えてもらいながら経験を積んでいます」と話します。二人三脚で互いに目を配り、トマトの樹の細やかな状態の変化を見逃さないことで、よりおいしいトマトが生まれているのです。
台風19号の被害を乗り越えて
トマト栽培のための苗作りハウス2棟、栽培ハウス4棟で年間約2,900本の樹を植え、約8トンものトマトを出荷している三浦さん夫婦。
トマト農家としてスタートして11年目の2019年10月。
東北・関東を襲った台風19号によって、ハウス6棟中4棟が被害を受けました。
メンバー(組合員)とつながる復興の輪
2019年10月に東北・関東を襲った台風19号は、宮城県や福島県に大きな被害を及ぼしました。「めぐみ野」の生産地も例外ではなく、三浦さんのトマトハウスも暴風によって、1棟のハウスが骨組みごと吹き飛ばされました。「台風当日の夜、見回りに出たら、本来ハウスのある場所から丸々1棟が消えているのを目の当たりにし愕然としました。L字状にひしゃげて隣のハウスに刺さるように吹き飛び、跡形もなくなっていたんです」と三浦さん。11月末から片付けができる状態となり、4月中旬にようやく今の形まで再建することができたと言います。
この状態からの復興には、メンバー(組合員)から寄せられた緊急支援募金の支えがありました。「『めぐみ野』生産地の被害に対し、多くのメンバー(組合員)のみなさんや関係機関の方々から募金をいただきました。そうした支えがあったからこそ、私たちの今があります」と、再建されたハウスを振り返ります。
2020年5月1日現在
台風19号で吹き飛んでしまったハウスが再建され、今また新しいトマトがすくすく成長しています
たくさんのご支援をいただき、ありがとうございました
毎年「同じ」は無いからこそ試行錯誤のなかで磨かれる技
気温や水分管理、日照時間を細かくチェックする三浦さん。そうすることで、ひと際おいしいトマトに仕上がると言います。「トマトは気温・水分・日照の影響を受けやすく、その変化は食味や食感、見た目に直結します。去年うまくいったやり方で育てたとしても、今年も同じようにいくわけではありません。1日ごとに異なる気温や湿度、土の状態に合わせて環境を整える必要がありますが、そうした難しさがあるからこそ、収穫を迎えるよろこびもひとしおです」と話します。毎日記録を付けて反省と改善・試行錯誤を繰り返し、よかったことを次に活かす。こうした地道な積み重ねがおいしさに結びついています。
日の出とともに起床し、トマトの様子をチェック。1日に何度もトマトの葉の状態を確認し、水分が十分であるかを判断します。
二人三脚でトマトの樹をハウスの天井から吊るし誘引。トマトや花に十分に光が当たるように樹形を整え、芽かきや葉かきをこまめに行います。
吊るし上げが終わり樹が安定したら、次々と出てくる脇芽を、すべて手作業で摘み取っていきます。脇芽を取り1本だけ残すことで、栄養が分散しないようにします。
トマトの樹は下の方から実がなり、実がなった場所から1段・2段と数えます。8月から9月には13〜14段にもなり、三浦さんの身長を超えるほどに成長します。
おいしいトマトはこうして育つ生産者の腕の見せどころ
温度・日差し管理
5月になるとハウス内の温度が40度を超えることもあるほど。そのため、栽培に最適な温度調節を行うことはとても大切な仕事です。また日差しが強すぎるとトマトが黄色く日焼けし硬くなってしまうため、梅雨明けにはハウスに遮光剤を塗って対策します。
水分管理
土耕栽培で一番難しいという水分管理は、味にも密接に関わってくる重要なポイント。三浦さんのハウスではかん水チューブを使用し、ポンプで地下水を汲み上げ全体に行き渡らせます。その日の状態により必要な分だけ与えることで、味の濃いトマトに育ちます。
虫対策
虫の種類や出始める時期など、例年の記録をもとに対策を検討。経験や日々の観察も必要となります。台風被害の後に再建したハウスでは、新しく赤い虫除けネットを採用。虫が近づかないことで、農薬を使う回数をより減らすことができます。
栄養たっぷり!ジューシーなトマトのワケ
「めぐみ野」桃太郎トマトは糖度6度以上をめざしています。ジューシーな甘みのなかに、すっきりとした酸味がバランスよくとけこんだ深い味わいが魅力です。「糖度は少し違うだけで甘みに差が出ます。食べてくださる人においしいと言ってもらえる、甘さと酸味のバランスを第一に考えています」(三浦さん)
「めぐみ野」桃太郎トマトのこだわり
安全・安心、そしておいしい
「めぐみ野」桃太郎トマトは、農薬と化学肥料を宮城県の一般的な栽培の半分以下で栽培しています。有機質肥料を中心に土作りをすることでトマト本来の濃い味わいが楽しめます。
トマトの形は花の段階で決まる
樹に水分が少ない時についた花の実はきれいな形になりません。日々の細やかな水分・温度管理や、受粉のタイミングを熟練の技で行います。
赤く色付いてから出荷
一般的なトマトは青いうちに収穫・出荷するのに対して、「めぐみ野」桃太郎トマトは樹で赤くしてから収穫しています。店頭に並ぶまでの時間とトマトの色付くスピードを逆算し、店頭に並んだ時が一番おいしい状態になるよう気をつけています。
惣菜「めぐみ野」桃太郎トマトまるごとサラダ
ジューシーな桃太郎トマトをまるごと8枚にスライスしたサラダ。桃太郎トマト1/2個分(4枚スライス入1パック198円+税)の小量パックも登場。
(みやぎ生協・コープふくしま全店舗期間限定発売:6月4日〜7月31日予定)
【店舗本体価格】
8枚スライス入1パック298円+税
やりがいを感じる瞬間とは?
今年もいよいよ本格的に収穫が始まるという緊張感のなか、無事出荷が始まったときですね。みなさんに真心込めて育てたトマトを、おいしいとよろこんでいただけると私たちもうれしいです!