くらしに、ひと呼吸

人と人 コミュニティ その3 安心できる場所

お寺で「絵本キャラバン」

今年の2月に、みやぎ生協さんとのコラボ企画として「お寺であそぼう 徳泉寺de絵本キャラバン」を開催しました。
絵本キャラバンとは、みやぎ生協さんの【絵本でつなごう「へいわの輪」プロジェクト】で募集した平和を感じる絵本とコメントを、会場を変えてキャラバン形式で紹介していくものです。
せっかくなので「お寺であそぼう」と題して昔遊びやお絵描きコーナーを設けることに。さまざまな年代の人たちと絵本の世界を味わったり、遊んだり、お話したり、ゆったりと時間を過ごすことができました。

「お寺であそぼう 徳泉寺de絵本キャラバン」での絵本の読み聞かせ

違うからこそおもしろい

小中学生の親御さんや、みやぎ生協平和委員さんによる読み聞かせを聞く。明治青年大学の人生の先輩方と昔遊びをして、中高生スタッフといっしょにお菓子の千本引きやお絵描きをする。自分とは異なる年齢、別の考えを持つ人たちと遊び、学ぶことは、子どもたちだけでなく僕たち大人の世界も広げ、豊かにしてくれるように感じます。
バラバラで“いっしょ”。年齢も立場も住んでいる場所もバラバラだけど、“いっしょ”の場をつくることができる。そうして子どもたちの笑顔が周りの大人を笑顔にし、その笑顔が広がっていく。その中にいて、幸せな場だなと感じながら、平和について考えさせられました。

昔遊びは、けん玉やお手玉、こままわし、羽子板などを楽しみました

居られるところ

それは、安心して居ることができるということと深く関わっているように思います。コロナ禍で人と人が安心して会うことができなかった。一人でいることにも不安があった。争いによって奪われていなくても、平和とは言えない状況もあります。
では、平和とは何でしょうか。それは願いということが根底にあるのでしょう。本当は生き生きと生きたいという願いを一人ひとりが持っている。いのちの花を満開に咲かせたいと願っているのだと思います。自分の花を咲かせるために他を枯らすのではなく、同じ願いを持った者同士が生きていく。
だから人と人が関わるということが大切だし、安心して居ることのできる場所が大事なのだと思います。そういう場所にお寺もなっていきたいし、町のあちこちに増えていってほしいと願っています。

真宗大谷派 徳泉寺(とくせんじ)住職
関口 真爾(せっきー)

仙台市宮城野区に所在する徳泉寺の住職。地域のお祭りや町づくり、防災、学校支援などに参加。コロナ禍で孤立化が進むなか、お寺を気軽に立ち寄れる居場所のひとつにしていきたいとの思いで、さまざまな活動に取り組んでいる。

真宗大谷派 徳泉寺(とくせんじ)住職<br>関口 真爾(せっきー)先生