くらしに、ひと呼吸

食品添加物はなぜ使われる?

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、おうちごはんの機会が増えていることと思います。惣菜や加工食品の利用が増えると、食品添加物が気になるという方もいらっしゃるかもしれません。今回はそのような食品添加物のお話です。

食品をおいしく安全に食べるため

そもそも食品添加物は、なぜ使われるのでしょうか。たとえば豆腐に使われる「にがり」。豆乳を固めるために用いられ、これがなければ豆腐はできません。また、製造時の泡立ちをおさえるために消泡剤が使われることもあります。他にも、食品(調味料、甘味料、酸味料など)の味を良くしたり、色をつけたり(着色料)、日持ちを良くして食中毒を防止したり(保存料、日持ち向上剤)と、食品をおいしく安全に食べる目的で使われています。

添加物が嫌われる理由

そうはいっても、添加物は嫌われがち。その理由は、これまでの歴史にありそうです。戦後の混乱期から昭和40年代にかけて食品添加物の事故が相次ぎ、消費者の反対運動が盛んになりました。私が子どものころ、母親は「添加物はがんになる」と心配していました。その後、国は添加物の規制を見直し、発がん性などさまざまな試験で安全性を確認したもの、長年使われて問題のないものだけを使ってもよい仕組みとしました。世界的にみても、日本はかなり厳しい安全基準を定めています。しかし、昔のイメージが定着しており、なかなか安全性の理解は進んでいないのが現状です。

食べ続けても大丈夫?

国の安全性審査では、食べ続けても健康に影響は出ないか、子孫に影響を与えないか、食品添加物ごとにまずは無毒性量を定めます。そこに100分の1以上の安全率をかけて、一日の摂取許容量を定めます。食事調査等で、実際には一日摂取許容量よりもずっと低い量しか摂っていないことも確認されています。また、都道府県の衛生試験場では抜き打ち検査を行い、基準が守られているかチェックもしています。このように安全性については何重にもわたって確認されています。それでも気になる方は、食品のパッケージにどのような添加物が使われているのか表示されていますので、チェックするとよいでしょう。安全性や表示の仕組みを知って、添加物と上手に付き合って頂ければと思います。

一般社団法人
Food Communication Compass
森田 満樹

九州大学農学部卒業後、食品会社研究所、業界誌、民間調査会社などを経て、現在はフリーの消費生活コンサルタント・ライター。消費者の気になる食の情報を広める活動を行う。